高校卒業後の進路における、美大と美術系専門学校に関して。

美大と美術系の専門学校は、高校生の進路として悩ましい問題となります。

筆者は美大なので専門学校のことはわかりませんが、美大を出たからこそ言えることもあるので、このページでは「美大と専門学校」についてすこし触れたいと思います。

美大か専門学校か

美大に行くか専門学校に行くかで迷った時に、もっとも重要なのは以下の点です。

  • 美大や専門学校在学中になにをするか?

学費や講師(教授)や設備という問題はありますが、それは少しあとの話です。

あなたは英語を話せますか?

突然ですが、あなたは英語で読み書きや会話ができますか?

義務教育に加え、高校でも英語の授業にかなりの時間が割かれていたと思いますが、残念ながら、英会話すら困難だという方が多いと思います。

その理由は単純で、「英会話ができるように自分で努力していないから」です。

教材などの利用できるものは探せばいくらでもありますし、それらを利用して学んでいれば、恐らく今のあなたよりも英会話のレベルは上がっていたはずです。

同様のことは、美大と専門学校に関しても言えます。

どちらを選ぼうとも、あなたが自分でなにもしなければ得るものは非常に少ないでしょう。

逆に、あなたが自分から積極的に学べば、どちらを選んでも得るものはあります。

美大と専門学校の選び方

かなり極端な内容となりますが、以下に選び方の一例を書いてみます。

美大の特徴

美大の特徴は以下の通りです。

なお、あくまで筆者が通っていた大阪芸大での経験を基づいており、学校ごとに違いがある点は理解していください。

  • 絵画や写真などの専門分野以外の一般教養を学ばねばならない
  • 自分から聞きにいかなければ、実りある指導は受けられない
  • 設備はあるが、古い場合が多い
  • 基本的に自由
  • 学科を越えた資格取得ができる可能性がある

一番重要なのは、やはり指導方針です。

作品の講評はしてくれますが、受け身ではそれだけで4年を過ごすことになりかねません。

積極的に講師や教授に話にいき、指導を求め、技術や知識を吸収する行動力が必要です。

資格取得に関しては、例えば以下のような事柄です。

  • 美術科で入学して在籍中に、文芸学科の司書資格を取得できる

上記は実際に、筆者が大芸で行ったことです。

総合芸術大学の場合、同じキャンパス内でいろいろな学科の授業が行われているため、専門学校よりも幅広い可能性が存在している証明になるかもしれません。

専門学校の特徴

在籍経験が無いので想像に頼る部分がほとんどですが、一応書いてみます。

  • 指導や課題がしっかりと行われるため受け身でも技術が身に付く
  • 技術重視が傾向が強いため、視野が狭くなりやすい(発想が全員似やすい)
  • 就職先までの道筋が美大より明確に存在する
  • 卒業後の現場で即使えるように機材が最新である可能性が高い

あくまで美大と比べて、という話ですが、受け身でもしっかりと指導をしてもらえると思います。

美大は「自分で考える力を身につける場所」という部分が強いですが、専門学校は「技術を教え込む場所」であり、それだけに誰でも一定レベルまでは実力がつくカリキュラムになっているはずだからです。

美大か専門学校かで悩んだら

ここまでを踏まえると、以下がまず第一の判断ポイントとなります。

  • 能動的に動けるなら美大
  • 受動的にしか動けないなら専門学校

誤解を恐れずに言えば、能動的に動けないのに美大にいっても無駄です。

あとは、金銭的な問題を除けば、設備や指導陣やカリキュラムで選ぶとよいでしょう。

ここまでくると「美大か専門学校か」ではなく、「美大や専門学校は関係なく、どの学校にいきたいのか」という問題になると思います。

最終的には、入学した後のあなた自身の行動でどうとでもかわりますから、どうしても決められない場合は適当でよいと思います。

どこにいくかより、何をするかで悩む方が遥かに実りある悩みとなるでしょう。