美大に行く意味や意義はなんのか?個人的な意見ですが、少し書いておきます。
なお、下記は「別に美大でなくても身に付く」というご意見もあるかと思います。
ご意見の通り、もちろん美大でなくても身に付きます。
ですが、積み重ねがものをいう場合に過程の違いは重要です。
美大で学んだからこそでる結論、行動、意志があるのです。
具体的にこれだとはいえませんが、過程が違えば結果が全く同じにならないのは当然なのですから、他でも身に付くという言葉はあまり意味がありません。
形のないものに形を与える力を身につける
美大を卒業してから感じる最大のメリットは、「美大で形のないものに形を与える力を身につけられた」ことです。
美大受験時から延々と繰り返してきた、テーマを与えられてそれを形にするという行為それ自体がもたらす効果です。
どのような職業にしろ、何かを作りだす必要性は存在します。
たとえば、会議。
会議は言葉でやり取りするものですが、当然なにかを成すために行われます。
美大で学んだプロセスを用いれば、言葉だけの抽象的なやり取りではなく、たたき台などの具体的な提示物を作成して議論に役立てることが可能です。
また、明確な形を作るための素材を的確に判断できるため、会議におけるものごとの優先順位や重要性が理解しやすくなります。
言葉から目に見える形に表すことは、実は非常に難しく、誰にでもできることではありません。
精度や品質という観点にたてば、概念の具象化が可能な人材は、より限られてくるでしょう。
美大で学ぶことで、こういった点に良い影響を与えるスキルが身に付きます。
モノをつくることができる
単純ですが、何かを物理的に作り出すことができます。
美大にいけばよく目にすると思いますが、例えば絵画コースの生徒が器用にアクセサリーや陶芸を作ることができます。
作り方などの技術的な部分はもちろん練習が必要なのですが、はじめての物事でも案外なんとかなってしまいます。
なぜなら「モノを作る」という行為自体に対して、ある種のカンが働きやすくなるためです。
社会に出れば、自分の範囲外の作業を打診されることは多いです。
そんな時、感覚的に「なんとかできる」と捉えて動くことができるといろいろプラスになります。
思った道を進む覚悟ができる
作家志望の方もいるかと思いますが、美大に行くことで覚悟が固まります。
自分の考えで作品を4年間も作り続ければ、否応なく自分の思う通りに物事をすすめる力も身に付きますから、作家以外でもいろいろな分野で有効な精神力が身に付きます。
夢ばかりを追っていても仕方がありませんし、現実を見る必要はあります。
ですが、夢を追うことが常に間違っているわけではありません。
現実をねじ伏せてでも実現する覚悟と行動力をもって、事をなせば良いのですから。
ここまで大きな話でなくても、単に会議の一場面で当てはまります。
自分の意見を述べるか否かでどう考えても述べた方が良い場合、自然と発言できるようになります。
こういう行動は誰しもができることではないので、貴重な資質である場合が多く、重宝がられる可能性もあります。