曲線は、構造的な線や輪郭線など様々な場面で必要になります。
まっすぐな直線を引くのにも練習が必要なように、思い通りの曲線を引くのにも練習が必要です。
曲線を引く練習
曲線を引く練習の第一歩は以下の通りです。
- 手首を柔らかく動かせるようになること
- 柔らかい手首の動きで円を描く感覚を覚えること
絵を描くには身体で描き方を覚えなければなりませんから、まずは身体の動かし方を会得しようということです。
練習方法
それでは練習の仕方です。
- 大きめの紙を用意する(古新聞で良い)
- 鉛筆を軽く持つ
- 肘と手首の力を抜く
- 左端から右端へと、バネを描くイメージで円を書き続ける
- 紙一枚を埋めるように何度も繰り返す
上記の練習中は、以下の点を留意してください。
- 一本の線を描く間は同じ大きさの円を描く
- 線を描くごとに、円の大きさには変化をつける
- 時々は線の太さ(力の入れ方や角度)に強弱をつける
- 一本の線を書き終わるまでは、手を止めずに一気に引く
- 途中でおかしくなっても止めず、消しゴムで消して直さなくてもよい
手首の感覚を説明するのが難しいのですが、以下の感覚に近いです。
- 右腕を腕相撲をするような形にする
- 手首の力を抜く
- 左手で右手の肘を持って左右に動かし、手首から先をプラプラさせる
手首と肘を視点に、手の力が抜けている感覚があると思います。
力を抜いて円を描く際には、右腕のこういう感覚と動きで行います。
慣れてくると、次第に手首や腕を柔軟に動かすことができるようになるはずです。
曲線がガタガタせず、きれいで滑らかな曲線となっているでしょう。
フリーハンドで正円を描く方法
スプリングのような絵連続した円ではなく、単に丸い1つの正円を描く練習も必要です。
この場合は、円を4等分して紙を回しながら描くと良いです。
練習方法
- 正方形を描く
- 正方形が4分割になるように十字に線を引く
- 最初に描いた正方形と十字線の接点を、曲線になるようにつなぐ
- 右利きの場合は、4等分した円の左上の曲線だけを引く
- 描けたら紙を時計回りに45度動かし、また線を引き、また45度動かし、と計4回繰り返して正円をつくる
十字の線と正方形の輪郭線が交わる所が「円の上下左右の頂点」となり、十字の中心が「円の中心」となります。
重要なのは絵(紙)を回転させることで、自分が描きやすい位置にもってくることです。
デッサンのでは紙を動かして描くのは普通のことですし、場合によってはわざと逆さまに置いて左右のバランスをみたりします。
あまり頭を固くせず、紙自体を動かすような視点の切り替えも忘れてはなりません。
もちろん描きづらい方向から描けるのも技術ですが、曲芸ではなくあくまで受験勉強なので、とてもではありませんが必須の技術とは言い難いです。
慣れれば正方形だけや十字の線、あるいは点を打つ程度で十分円が描けるでしょう。