引いた直線を自分で確認できるようになりましょう。

直線を引く練習をする際、ただただ闇雲に線を引き続けていはいけません。

直線を引く際の留意点

例えば、以下の点に留意してください。

  • 定期的に、引いた線が曲がっていないかどうかを確認する
  • 曲がっている場合は「どの程度」「どのように」曲がっているかを確認する
  • 曲がっていない場合は、その線を引いた時の感覚を覚えるように努力する

上記のように、曲がっているか否かを自分で判断することは重要です。

いきなり正確なチェックは難しい

しかし、慣れていないと判断が難しいことも事実です。

そこで、簡単な直線のチェック方法をお伝えします。

この方法は練習時に限らず、本番の美大や芸大受験などの本番でも有効なものです。

加えて、受験時の緊張をほぐすための所作を持つという役割もあるので、ぜひ試してマスターしてください。

直線のチェック方法

直線のチェック方法と言っても、方法は非常に単純です。

基本的には以下の手順となります。

  1. 紙の上に線を引く
  2. 紙を色々な方向に動かす
  3. どの方向から見ても線が歪んでいないかを目で確認する

これだけ見ても分かり辛いので、以下に具体的なチェックの手法を記載します。

紙の上下や左右を逆さまにする

  1. 線を引いた紙を持ち上げる
  2. 紙の向きを、線を引いた時と上下を逆さまにする
  3. 線が下に膨らんでいないかを確認する

水平線を引いた場合、右利き左利きに限らず中央部が上方向に膨らんでいることがよくあります。

これは人間の身体の構造上、関節を中心に円運動を行うために仕方がない現象であり、普段は見慣れていて違和感を感じられません。

そこで、上下を逆さまにすることでその湾曲した部分が下に膨らむようにし、違和感を認識できるようにします。

後は下向きのまま線を直し、更に戻して違和感をなくし、徐々に直線の精度を上げていきます。

始点と終点を横から見る

  1. 線を引いた紙を目の高さまで持ち上げる
  2. 目線と水平に近い状態にする
  3. 線の始点と終点が一直線に並ぶように見る
  4. 片目をつむり、始点と終点の間の線が曲がっていないかを確認する

少し分かりにくいと思いますが、この方法も非常に単純な確認方法です。

まず、紙の上に適当に2つ点を打ち、定規で子の2点をつなぐと直線が出来上がりますよね。

つまり始点と終点をまっすぐに結んだ線に近ければ近い程、線が曲がっていないと言えます。

ただ、紙平面を垂直方向から見下ろした場合、横に長過ぎて歪さが認識できません。

そこで、水平方向に視点を移動して横から見ることで、始点と終点の距離を限りなく短くし、2点間のズレを見やすくしています。

定規を使う方法

定規で直線を引き、それをガイドラインとしてフリーハンドの直線の精度を判断する方法もあります。

しかし、受験本番でそんなことはまずしません。

あとで消さねばならない線ですから、紙が汚れるだけでなく時間のロスにつながります。

また、定規の使用自体が禁止の場合もあり、例え補助線のためであってもアウトだと思っていたほうが良いでしょう。

受験時に使える方法を学ぶ

皆さんが美大芸大合格を目指して日々練習しているのは、すべて「本番で使える技術」を取得するためです

そのため、「練習のための練習」を続けるようでは、いつまでたっても本番に使える技術は身に付きません。

意識的に本番を想定しながら技術を磨いてください。

前述しましたが、定規を使って直線を引くのは本番で使えない可能性が高く、そこに頼った手順に馴染むのは避けた方が無難です。

羽箒や自転車のスポークなど持込みがほぼ問題ないものは良いですが、可能な限り本番で使える現実的な手段を整えることをお勧めします。