技術的にはデッサンの基礎というより応用に近いですが、基本知識として知っておいた方が良いのが、デッサンにおける文字の扱いです。
ここでいう「文字」とは、例えばビール瓶をデッサンする際に表面に貼られたラベルや、テッシュの箱の表面に印刷されている製品名などです。
油彩や日本画にももちろん必要な基礎ではありますが、特にデザイン系には必須です。
目指す方向性も加味しつつ、基礎だけはしっかりと覚えましょう。
レタリング
美大受験では主に「レタリング」と呼ばれます。
高校などの美術の授業でレタリングについて学んだ方も多いと思いますが、習った覚えのある方は内容を思い出してください。
簡単におさらいすると、上記の画像のように外側の枠と十字の補助線(必要に応じて補助線の数も枠の形も変わります)を用いて文字を描きます。
デッサンではモチーフのバランスを狂わせないために、鉛筆やスポークなどで長さの比率を計ります。
対して、文字の場合はさらに詳細に、大きさや形を写し取らなければなりません。
四角や補助線を必要に応じて細かく引き、目安を作り、描き、最後には補助線を消します。
上のイラストはPCのソフトで描いていますので色が濃いですが、実際には薄く軽い線で補助線をいれなければ、線をけせないので注意しましょう。
デッサンで必要なレタリング
受験でビール瓶やお菓子の箱が出て来た場合、前述のレタリングの書き方を基本に、面やパースを頭に入れて描きます。
例えば以下のとおり。
上記はペンタブレットで描いているのでいろいろ狂いがあるのですが...。
レタリングの補助線は、側面のパースを意識して設定してください。
モチーフがよほど大きくなければ極端なパースはつきませんが、基本的には奥に行く程狭く小さくなり、手間にくる程広く大きくなります。
瓶や缶の側面のレタリングも同様に行いますが、補助線はしっかりと丸みを意識ししてください。
補助線をいれた段階で離れて絵をチェックし、違和感がないことを確認してからレタリングを開始することをおすすめします。
レタリングは、焦って進めると後で取り返しがつかないミスに繋がります。
モチーフや求める完成図次第になりますが、バランスさえとれていれば大抵のレタリングは合格ラインに乗るはずです。
あとは表面から浮いて見えないように意識して描けばほぼ大丈夫でしょうから、時間配分を守りつつ、焦らず時間を使いましょう。
レタリングと平面
前述のサンプル画像ではアルファベットの下部の補助線を失敗しているため、レタリングした部分の平面が少しおかしく見えています。
このように、補助線の段階で失敗すると全体的に狂いが生じるのだということを、しっかりと頭に入れておきましょう。
当然補助線も自分で引くのですから、デッサン開始時に適当な補助線を入れた場合は自分を呪う可能性は十分あります。