文房具としてなじみ深いプラスチック消しゴムも、デッサンでは用います。
どのメーカーの消しゴムでも問題ありませんので、できるだけ消す力のあるものを選びましょう。
プラスチック消しゴムとは
プラスチック消しゴムとは、主にポリ塩化ビニルで作られた消しゴムです。
鉛筆を消す力が強く、力を入れれば鉛筆の粉のほとんどを取除くことができます。
プラスチック消しゴムのメリット
メリットは以下の通りです。
- 強く引いた濃い線でも消すことができる
- カッターで鋭角にすることもできる
この特性を活かした使用方法は、このページ下部で説明していますので、そちらをご覧下さい。
プラスチック消しゴムのデメリット
デメリットは以下の通りです。
- 紙が傷む
- 減りが早い
デッサンにおいて注意が必要なのは、プラスチック消しゴムを使うと紙が非常に傷む点です。
消しゴムの性質状、紙の表面を削り取ってしまうためです。
紙本来の凹凸(おうとつ)があってこそ鉛筆の粉が定着するため、その凹凸を荒らされるとどうなるかは、想像がつくのではないでしょうか?
紙が傷むと鉛筆の粉が定着しにくくなり、鉛筆の先が滑る感覚すらあります。
見た目にも汚さが表れ、絵の完成度を著しく低下させます。
プラスチック消しゴムの使い方
デッサンにおいては、プラスチック消しゴムの使いどころは限られています。
広範囲使うと害が大きいので、自分でしっかりと使いどころを決めてもちいてください。
受験本番時に紙の表面を潰して絵を汚すようでは、美大や芸大に行く基礎能力がないのと同義です。
この点は試験でも見られるはずですので、必ず注意してください。
ハイライトを入れる
ねり消しゴムと同様にハイライトを入れる際に用います。
プラスチック消しゴムの角を尖らせれば、狙った所だけを奇麗に消すことが可能です。
結果として、プラスチック消しゴムのハイライトは鉛筆を鋭いエッジで取除くことができ、硬質な光を表現できます。
他の表現としては、瓶についた水滴などにももちろん使えます。
完成後の汚れ消し
作品を仕上げた際に、手の油などを含めて画用紙に汚れが見られることがあります。
その汚れが表現として活かせるなら良いのですが、真っ白においておかねばならない場合は大きなミスになります。
こういった場合に、プラスチック消しゴムを用いて奇麗に消します。
ただし、前述したようにプラスチック消しゴムは紙の表面を傷めますから、適度に加減しながらきれいに汚れをとってください。
適当に力を入れて消すと、表面の荒さが陰を生み、逆に違和感が残る可能性もあります。