美大・芸大受験のために緩急のある直線を引くための基礎練習を行います。

受験用のデッサンでは、緩急のある線を単体で使うことはあまりありません。

絵としての表現や面白さを見ると言うよりは、形が正確に取れるかなどの基礎力の確認が中心となるはずからです。

もちろん緩急のある線を試験でも使う人はいますが、それで合格できるのは独特の感性や世界観が既にある方です。

有無をいわさずに自分の作品を主張できる場合でないと、マイナスにしかなりません。

しかしながら、表現力の向上には欠かせませんから体に覚え込ませておく必要はあります。

緩急のある線を引く練習

以下が練習方法です。

  1. B系の柔らかめの鉛筆を用意する
  2. 横方向に長めに線を引く
  3. 線を引く際に加える力に変化をつける

線の緩急の表現は鉛筆を立てるか寝かせるかでも作り出せますが、基本は力の入れ方です。

鉛筆に入れる力に緩急をつけると、線の太さにも緩急がつき、それが線の表情や表現力となります。

紙を潰さない力加減で、かつ、力をできるだけ入れて太くすることができれば、表現力は格段に上がります。

まずは、新聞紙でもチラシでもなんでもよいので、紙一枚を埋め尽くすまで続けてください。

受験用デッサンにおける緩急のある線

説明が少し難しいのですが、通常の作品と受験用の作品は少し違います。

特にデッサンに言えますが、写実性を重視しているのには理由があり、それは観察力と表現力を見るためです。

この表現力は「実物を絵に見たまま写し取る力」ということであり、あなたの創作性を見るということでは必ずしもありません。

京都精華大学の洋画などでは独創性が評価されやすい傾向もあるようですが、京都造形大学の日本画のようなところでは問題に答えていないと判断されかねません。

志望大学を勘案した上で、自分が必要とする線を自覚して練習を積んでください。

緩急のある線を活かす場面

緩急のある線を活かす場面はいろいろとありますが、何と言っても3分や5分のクロッキーが一番でしょうか。

慣れてくれば、線の強弱で対象の立体感や質量や構造、動きや感情を表すことができるようになります。

クロッキーを行う際は1分や5分などの短時間で描き上げますが、この際に線の緩急が使えればよりしっかりとした表現で描き上げることができるでしょう。

クロッキーはとても楽しいことですから、ぜひ体験してもらいたいです。